- 荷揚げ屋について知りたい。
- バイトの募集で 「荷揚げ屋」 「建築資材の搬入」と見つけて、興味がある。
- 高収入て本当なのか?
- どんな仕事内容なのか知りたい。
- 早く帰れる?
そんな、疑問や不安を解決するべくこの記事を書きました。
これが荷揚げ屋の現実ですよ。
仕事選びの参考にしてみてください。
荷揚げ屋とは?
主に建築資材の搬入を専門に行う業者の事です。
建設現場では、荷揚げ屋、揚げ屋、揚重屋、揚重業など、呼ばれています。
扱う建築資材は
「石膏ボード、フローリング、扉、壁・天井の下地材(木材やメタル類)、ユニットバス、キッチン、洗面台、トイレ」などです。
職人さんより指定された場所に、指定された置き方(立て掛け、寝かせ、台の上など)で置く仕事です。
重機(トラック、クレーン、フォークリフト等)が通れないところを人力によって、資材を搬入します。
足場屋さん(鳶さん)と並んで建築業界では、ハードな職種と言われています。
荷揚げバイトの2つの仕事の内容
会社によると思いますが、以下2つが主な仕事です。
建築資材の搬入
建築資材は会社の社風によって違うと思いますが、
大体の会社では、石膏ボードや床材(パーチクルボード、フローリング等)を取り扱っているところが多いです。
ちょっとずつ、運べば楽ですが、マンションやビル等は資材が大量です。
なので、石膏ボードとは、4枚ずつ(約40Kg)とか、パーチは3枚ずつ(約50Kg)とかで持っていくはめになります。
また、クレーンが入れない狭い現場やエレベータが使用できない現場だと、材料を持ったまま階段を上り降りします。
軽作業(職人さんの補助)
バイトの内容にも「軽作業」と書いているところもあると思います。
軽作業も会社によると思いますが、職人さん一人では難しい作業を手伝います。
重たいものを2人で持ったり、2人の方が効率がよい作業を手伝います。
搬入に比べると、セコセコしていないので、汗だくで必死こいてやるような作業ではないです。(これも現場や、会社にもよりますが、、、)
僕が経験した軽作業は、
- 戸建ての瓦職人の補助、
- ユニットバスの養生はぎ、
- 壁紙の剥がし、
- キッチンの取り付け補助、
- 床はぎ補助、
- 壁に断熱材を詰め込む、
- 棟上げ、
- セメント作り&運び、
を軽作業として行いました。
荷揚げバイトの一日の流れ(日給と労働時間)
「近場コース」と「遠方コース」の2パターン用意しました。
これも、地方と都心部では全然違うと思います。ちなみに僕は、九州内全域行きます。
近場コース
荷揚げの仕事は早く終われば帰れる事があります。
「オイシイ現場」と呼んでいます。よだれが出そうです。
- 時給換算:2444円 (11000円÷5H)
- 実労働時間:2.5時間(1時間+1.5時間)
- 移動時間: 2時間
- 日給:1.1万
移動時間も含めて、5.5時間で日給1.1万円です。
8:00 事務所集合・発
8:30 現場着・始業(3人で200枚石膏ボードをエレベータあげ)
9:30 終了
~12:00 自由時間・移動開始(次の現場が始まるまでは、自由にしていていい。)
12:30 2件目現場着・準備
13:00 戸建てボード搬入、2階差し上げ
(壁の高さほどの長さがあるので、すごく重たい)
14:30 終了、移動
15:00 事務所着、すぐ解散(直帰できる場合は、直帰してもよい)
実際に働いている時間は、2.5時間です。
石膏ボードを運んでいる時間がメインです。
朝礼や書類を書く時間が15分程度ありました。
僕は、移動時間は苦にならないので、2.5時間石膏ボードを運んで、1.1万て結構いい仕事じゃなないですか?
ずっとこういう毎日が続けばいい。そう思っていました。
が、なかなかうまくいかないのです(笑)
世の中本当よくできています。
次が遠方パターンです。
遠方コース
地方の荷揚げ屋になると、自動車を使った移動が多いです。(東京は交通網が発達しているので、電車移動がメジャーらしいです。)
事務所から、車で2時間掛けて行くような場所があるからです。
- 時給換算:1250円(15000円÷12H)
- 実労働時間:7時間
- 移動時間:5時間
- 日給:1.5万
6:00 事務所集合、出発
8:00 朝礼、始業 (クレーンによる石膏ボードと、天井と壁の下地類の搬入)
12:00 1現場目終わり
移動・昼飯(コンビニで飯を買って車内で食べる)
13:00 2現場目 クレーンによる石膏ボードの搬入(台車を押すときが少し重い、後は楽)
16:00 終り、現場出発
18:00 事務所着
この日は移動にトータル5時間かかりました。朝が早いので、5:30起きはよくあります。
夕方になると、道が凄く混みだすので、帰りが20:00とかになることもあります。
ただ、1.5万円を稼ぎました。
移動時間をどのように捉えるかによって、あなたの荷揚げに対する考え方が変わってくると思います。
荷揚げバイトは実際きつい?
ほとんどの荷揚げ屋さんは「キツイですか?」と聞かれると、
「はい」か「YES」と答えるでしょう(笑)
運ぶ資材は、ほとんどが重量物ばかりです。
石膏ボードは、大きさにもよりますが、以下の通り、結構重たいです。
- 3尺×6尺×9.5mm×4枚=約44Kg(表裏の関係で偶数枚が基本)
- 12mm×4枚=52Kg
- 1本4、50Kgの長尺シート
- 1個20Kgのタイル
これらを、手に持ったり、背中で持ったり、担いだり、して指定された場所へ運びます。
階段を降りたり登ったりする現場もあるので、それはそれは、地獄です。
現代の地獄絵図と言えるかもしれません。
両手が塞がってる状態で、転べば大体怪我します。
現場は足元が悪いことが多いので、そのへんも気を使います。
重くない材料ももちろんあります。
重くないものは、仕上げ材(内装でお客さんから見える部分)です。
すぐに割れたり、欠けたりします。絶対に傷つけることが許されません。
なので、神経すり減らします。
体への負担がかなり大きい仕事だと言えます。
膝、腰、肩など、主要な関節部に持病があれば、荷揚げバイトはおすすめできません。
ということで、「荷揚げバイトはとても、きついです(泣)」とします。
体験談を載せています↓↓↓
荷揚げ屋バイトは稼げる?月収・年収は?
2018年の収入を公表します。
- 総収入:460万
- 手取り:316万
自己負担するものは、
- 安全靴7000円(ちょっといいやつ)
- インナー1500円(夏場4現場周る日のことを考えるとストック7枚は欲しいところ)
- 手袋 200円(毎日使う消耗品、ほぼ毎日替える為ストックが欲しいところストックがない人の手は、凄く酸っぱくて、敬遠される)
くらいでしょうか。
靴下とパンツもすぐにすり減ります。(笑)
これらの費用を平均すると、月々トータル2、3000円くらいでしょうか。
経費を考慮したとしても、金額だけ見ると、バイトにしては、結構いい給与に見えるのではないでしょうか。
荷揚げの現場は、どんな人が働いているの?
感覚的には、ヤンキーが5割、ヤンキーじゃない人3割、変な人2割です。
各々の言葉の定義ですが、
僕の場合は、変な人が強烈過ぎて、慣れる時間がかかりました。
こればっかりは、それぞれの会社の人事部が決めることですから、
会社の社風によるところが大きいです。
ほとんどの人たちは、いい人ばかりです。(保身に走っている訳ではないです、、)ヤンキーの人もヤンキーじゃない人も、親切丁寧な印象です。
そういう人は、長く続いている印象です。
逆に、あらっぽくて変な人は、すぐに辞めていく傾向があります。
荷揚げバイトの職場環境は?
毎日、行く現場が変わることがほとんどです。
大きな現場では(スーパーゼネコンとか)、ラジオ体操をサボっていたとか、変な行動をしたら出入り禁止になることがあります。
それくらい厳しいです。スーパーゼネコンは建築業界のリーダーとなる立場で、絶対に事故を起こしてはいけないというプレッシャーの元で、各業者さんを管理されているので、必然的に厳しくなります。
小さい現場(戸建てとか、アパートとか)では、そこまで厳しくないですが、
ヘルメットの着用、あご紐しなさいとかありますが、締め出されたりはしないです。
雰囲気もゆるく、職人さんは活き活きとされている印象です。
搬入中の環境は現場によりけりです。
他の業者と作業がカブることはしょっちゅうです。
上の階で、吹付けをしていて、そのミストが顔にかかったことがあります。
あとは、木材を切っているので、切りクズを吸い込んだり、砂ぼこりが舞っていることはあります。
衛生環境を気にする方だと、厳しいかもしれません。
他に、他の職人さんとの取り合いもあります。
左官屋さんやタイル屋さんが玄関を仕上げているときの搬入は、気を使います。
他社の荷揚げ屋と、エレベータの取り合いになることも。。。
お互いに思いやりを持って、譲り合えれることもありますが、バトルになることも、、、。
大人って難しいですね(笑)
他の業者との交渉を、柔軟にできる力は必要ですね。
角の立たない、柔らかい言い方と、物腰、こちらの主張を通す力強さのバランスが大切です。
荷揚げバイトで筋肉はつくの?
筋肉は、、、ものすんごい付きます。
荷揚げ屋の少ないメリットの一つといってもいいでしょう。
せっかくですので、鍛えられる筋肉群(荷揚げ筋)をまとめてみました。
どうぞ。

太ももと上腕筋、背筋がもりもりになります。
資材搬入筋についてまとめています↓↓
荷揚げバイトは何歳までできる?
これは、永遠のテーマといってもいいでしょう。
結論は出ていませんが、
60歳くらいまでされている方がいらっしゃるそうです。実際に働いていた方が、このくらいの年齢で引退して、職人さんに転向したと聞いたことがあります。
自然老化で、普通に行きている人でも、39.5歳で腰痛を感じ始めるというデータがあります。
人生100年時代と言われるなかで、40歳から後の60年間ずっと腰痛に悩まされるのは、辛いです。
腰以外にも、膝や肩は、代替部品がありません。
体のことを考えると、20代からでも、荷揚げ以外の仕事を視野に入れておくことは必須でしょう。
荷揚げ屋に需要はあるの?
現在は、オリンピック特需と言われていて、建築ラッシュです。
2020年の東京オリンピック開催に伴ってホテルや、宿泊施設の建設が続いています。
選手や、海外からの宿泊客の需要が高くなります。
東京から遥か遠くの福岡でも、建築ラッシュは進んでいます。
荷揚げ屋に限ったことではないですが、
どこの現場に行っても、人手が足りないと言われています。
ということは、労働者の賃金も上がるということです。
理論上はそうですが、体感としては、賃金が上がってるという流れはないですね。(笑)
荷揚げ屋に将来性はあるの?
AIや、ロボットに仕事を取られるという、主張がはびこっています。
荷揚げの仕事はどうなのでしょうか?
本当のところは将来になってみないとわかりませんが、数十年くらいは残る仕事と思います。
職人さんの将来性はないと言われている
例えば、壁紙を貼る職人さんの仕事はなくなると言われています。
工場で、壁の材料に直接壁紙が貼って出荷されるようになるからです。
現在でも既に、化粧ボードと呼ばれる、ボードを貼って完了の壁も存在します。
ただ、これを搬入するのが、大変だと思いますが、、、
これは、ホリエモンが言っていることですが、
ユニットバスなど作ることは工場で自動化されているけど、実際に現場で取り付けをする人は少ない。
だから、職人の仕事はすぐにはなくならない。
なぜなら、みんなやりたがらないから。
でも、いずれは、職人の技術も、ロボットに代替されるだろう。
ただ、賢い職人は、ロボットの技術をフル活用して、効率を求める。
と、いうことを言っています。
荷揚げ屋の代替ロボット
実は、もう搬入ロボットが完成して動いています。
詳細はコチラの記事です。
ですが、狭い場所(住宅街や、既存のマンション等の2階など)複雑な経路への搬入はロボットに代替できないですよ!
置き場確認して、動線確保して、トラック誘導して、とり方、持ち方考えて、トラックからおろして、エレベータに積んで、エレベータからおろして、すれ違う職人さんに「すんません、、、」て言いながら申し訳ない顔して(そうしないと、今後やりづらいから笑)、置き場にそろっと置く。
もっと、いっぱい工程はありますけど、
こういったことを、プログラムするのは不可能ではないでしょうか。
ただ、搬入重機の進化によって、今後ドローンのような空中を静止できる搬入ロボットが出てくれば、人間の数をかなりへらすことができます。
ロボットに代替されるというよりも、ロボットと共存して、より便利になるような気がしています。
これからのAI時代の荷揚げ屋の働き方についての考察です↓↓↓
荷揚げ屋は安定しているの?
良くも悪くも、安定はしていません。
荷揚げ屋で、固定給いくらみたいな形態は、あまり聞きません。
月に、何現場入るか、によって月々の給与が決まるからです。(日給や、週休払いのところもあります。)
規模が大きくない会社であれば、固定給制にして欲しい旨相談してみてもいいかもしれません。
というのも、会社側からしてみれば、
毎月、スタッフの給与を計算する手間が省けるからです。
ただ、金額の設定が、行き過ぎると、会社との関係性が悪化するので、上手いこと信頼関係を築いたのちに、相談することをおすすめします。
荷揚げ屋は日雇いの人を集めているの?
違います。
求人の福利厚生の欄に、「日払い可」という欄がある事が多いです。荷揚げの求人に、応募してくる人は、お金で困っている人がかなり多いです。荷揚げ屋は、人手不足でしかも、ハードということで、敬遠されがちです。ですが、「日払い可」があるだけで、応募してくる人の数は増えるそうです。働く側と雇う側に双方のメリットがあるため、日払いの方は多いです。
荷揚げ屋のメリット、デメリット
箇条書きにして、まとめてみます。
メリット
- 筋肉がつく。
- 20代であれば、給与は平均以上稼げる。
- やりきりで、搬入が終われば早く帰れることもある
- 効率的に作業する癖がつく
- 建築資材の名前を覚える。
- 建築業界の様々な職種に触れて職人さんの話を聞ける
- 都心を離れて、知らない土地に行ける
- 道を覚える。
- 車のドライブができる(地方の荷揚げ屋だけ)
- 日をまたいで、仕事を持ち越すことがない。
ちなみに、荷揚げ屋で良かったなぁと思えた体験談があります↓↓↓
デメリット
- 移動時間が長くても、給料は発生しない
- 膝、腰、肩、指、関節へのダメージの蓄積がある。
- しんどい。キツイ。疲れる。
- 怪我、死亡のリスクがある。
- 怪我させるリスクもある。
- 給与が上がりづらい(単価が上がらない為)
- どろ、ホコリまみれ、びしょ濡れになることがある。
- 変な人が多い。
一番のデメリットは、ケガが多い事ですね。指挟んだり、スネぶつけたりは日常茶飯事ですからね。
荷揚げ屋バイトを2年続けてみての感想
僕は、なぜ2年も荷揚げ屋を続けているのでしょうか。自分でも不思議です。入って、3ヶ月間は、いつか辞めてやると思っていました。でも、辞めてやると言いながら2年が経ちました。
時間の流れが速い気がします。楽しいからか、忙しいからなのか。考える暇すら、ないからなのか、、
良い部分も悪い部分も経験して継続しているということは、メリットが多いのかもしれません。転職するエネルギーを、荷揚げに注いでしまって、残っていないのかもしれませんが笑
みんなと、ワイワイやって搬入することもありますが、危険なピリッとする現場もあります。人を怪我させてしまったこともあります。肉体的にはしんどいです。凄く、デメリットが全面に押し出されていますが、
いい仕事ですよ!(笑)
早く帰れることも2、3割程度でしょうか。
あとは、移動時間や、速く帰れた日に、時間を有効に活用できる人が、最強の荷揚げ屋ではないでしょうか。荷揚げ屋を始めて、先輩に言われた事が
『シンプルな仕事だから、「あなたに搬入してもらいたい」とお客さんから言って貰えるようになりなさい』
と言われたが凄く印象深いです。
その時は、これが、どういう意味かわかりませんでした。多分、
「また頼みたいと思える人間性、搬入の効率と安全性、この人に任せれば大丈夫と思える圧倒的信頼感」
を、身につけなさいということだと思います。
人間性とか、信頼感は、どの仕事でも、あればあるだけ仕事はやりやすくなります。僕はまだ、荷揚げ屋としての伸びしろがあるので(笑)しばらくは続けるでしょう。と、いう感想で締めます。。。
もっと、知りたいという方の為に以下の記事を紹介します。
仕事選びは大切ですからね。。
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