僕が荷揚げ屋になってから、このような言葉を繰り返し聞いてきました。
- いつか荷揚げ屋辞めてやる
- 将来が不安、ずっとはできない
- 階段あげばかりでしんどい
- 腰が、背中が、ヒザが痛い
- このままだと、いつか死んでしまう
お察しします。特に、始めて数ヶ月となれば、肉体的にしんどいのは、逃れられません。荷揚げ屋をやっていれば誰もが通る道です。
これはごく自然なことです。
この記事の、3つ内容です。
- 荷揚げ屋をやめたい理由を明確にするため
- 辞めた後はどうするか決めるため
- 辞める前にしておきたいこと
自分の事って意外と話せないものです。上司や社長に、詰められても、きちんとした返答ができません。
本当は、自分がどうしたいのか。仕事に何を求めるのか、何が嫌で、何が好きなのか。自分と向き合う材料になれば幸いです。
荷揚げ屋特有の「辞めたい7つの理由」
荷揚げ屋だからこそ、つらい部分があると思います。おそらく、この7つに分類されるのではないでしょうか。
荷揚げが過酷・きつい・疲れが取れない。
50kgの石膏ボードを、何往復も取って下ろして、取って、下ろしてを繰り返します。様々な職人と通路の取り合いにもなります。雨が降っても、搬入はなくならないことが多いです。冬は、雨が降れば最悪です。カッパをきても、着なくても汗で濡れます。だからカッパを着ないことが多いです。サバイバルの動画を見たことがあると思いますが、人間は雨に打たれ続けるのはかなりのストレスです。体温、集中力が奪われるなか、危険な搬入は続きます。
終わって、次の日、朝6:00事務所集合。体も心も休まりません。梅雨時期や、猛暑、冬場の雨など、天候も敵となることがあります。自分のちからではどうにもできないので、疲れますよね。
移動時間、拘束時間が長い
事務所から近場の現場は、結構少ないです。スーパーゼネコンと直に契約していれば、都心部ばかりという会社もあるかもしれませんが。遠方は、建築業界全体に係る問題ですね。同じ場所には、新しい建築物は立たないですからね。
問題は、移動時間は給与が発生しないことです。車や交通機関での移動は、遠ければ遠いほど時間を奪います。車であれば、運転中は、睡魔があるかもしれません。
作業が危険
毎年必ず、建築業界では、人が亡くなっています。人がなくなる重大事故の裏には、300件のヒヤリとする経験があります。私も、事故を起こして、人をケガさせたことがあります。自分がケガをする側にも、させる側にもなります。僕がケガをさせた場合は、慰謝料15万を払いました。相手の気持ちが収まれば、お金で解決できますが、そうも行かない場合もあります。
重量物の周りは常に危険が潜んでいます。動かすということは、転倒、挟まれ、落下、他者との衝突が付きまといます。危険なことをすることを避けることはできません。
忙しすぎる・休みがない
これも、会社によるのですが、繁忙期は、1日4現場5現場を周ることもあります。もちろんその分稼げるのでいいのですが、早朝から、深夜まで働いて、次の日もその次の日も、、繰り返せば嫌になります。睡眠時間も削られますし、思考力の低下による、現場内や、運転中の事故の原因にもなります。
自分のミスが多い、物損の責任
注意力の高い人間であれば、なんの問題はありません。ただ、中には、注意力が乏しい人間も中にはいます。僕も、注意力が欠けています。重症です。窓のサッシを曲げたとか、ボードを割ったとか、枠に傷を入れたとか、、、ありがちな事をやってしまいます。
そんなときは、「俺、この仕事向いてない」て思いますよね。そういう人は、辞めてもいいと思います。仮に、無理をして荷揚げを頑張って、不注意で人を殺したら、一生背負っていかないといけません。一生の後悔が残るでしょう。
入れ替わりが激しいので、新人教育が負担
建築現場に入るのが始めての人は、特に大変ですよね。安全帯の付け方、モノの持ち方をはじめから丁寧に指導しなくてはなりません。一つ一つ指示を出さないと動いてくれない人もいます。続けてくれたら、教えがいがあるんですが、、大半の人が辞めていくなかで、教育の意味を考えてしまうこともあるのではないでしょうか。
先輩・後輩が怖い・人間関係
荷揚げ屋に限ったことではないですが、怖い人が職場にいるのは、どの仕事も一緒です。ただ、怖い人の割合が多いのが、荷揚げ屋ではないでしょうか。相性の問題なので、僕は怖い人は問題ないですが、慣れない人も多いかと思います。辞めていった人の中には、あまり職場の雰囲気に馴染めない人もいたように思います。
荷揚げを辞めたい理由を知る9つの判断材料
ざっくり分けて、
- 自分で変えることができる部分
- 変えることができない部分
この2つがあります。
自分で変えることができる4つの要素
- 「人間関係」
- 「職場までの距離」
- 「その仕事が好きか・情熱はあるか」
- 「他にやりたいことがある」
自分で変えることができる部分は、自分側の問題で不満に思っている可能性があります。もちろん、簡単に変えることが難しい部分もあるので、簡単には解決しません。ただ、変えることができるので、気長に考えていい部分でもあります。
自分で変えることができない6つの要素
- 「人間関係」
- 「物理的な環境」
- 「仕事量」
- 「 仕事内容」
- 「収入、給与」
- 「時間帯」
これは、自分の力で、変えることが難しい部分です。「人間関係」は、両方入ります。これは、自動車同士の事故と同じで、車が2台存在しないと、事故が存在しないのと一緒です。人間同士関わり合いがあるので、どちらが悪いとは一概には言えません。
仕事量や、仕事内容は自分でコントロールすることは難しいです。社長ですら、どんなお客さんから仕事の依頼がくるかは調整不可能だからです。
人によって、仕事に何を求めるかは、全く違います。例えば、給与が低くて生活できない場合は、仕事量を増やして給与が多い仕事につくべきです。
荷揚げ屋を辞めた後の3つの道
辞めた後を想像してみましょう。
転職して別の会社に勤める
じっくりと、自分と向き合いどんな仕事がいいか判断するために、在職中に就職先を決めることをオススメします。もし、何の計画もなく突然仕事を辞めてしまった場合は、焦りから勢いで転職先を決めてしまう可能性があります。そうならないためにも、辞めると決めたら余裕を持って次の仕事を探しましょう。
有名どころの転職サイトですがとりあえず転職を決めるときは登録してどんな仕事があるか眺めるだけでも参考になります。
リクルートエージェント :最大級の転職サイトなので沢山案件があります。まずはここに登録しましょう。
- Samurai Job
:700万~2000万とちょっと怪しいですが、それだけ責任のある案件ばかりです。
自分で独立・起業する
起業は、ハードルが高いと言われがちです。これは、いままでの人生で、どれだけ社会に信用貯金を溜めてきたかによって、ハードルは変わってきます。例えば、ずっと荷揚げ屋を続けてきて、完璧な段取り、人間力を備えていれば、周りの人は黙っていないです。お客さんの心を鷲掴みにしているわけです。人間性や、スキルが高ければ、起業のハードルは超えれるでしょう。
参考までに→荷揚げ屋が独立を考えたら読む記事
ぷーたろうになる。
貯金があって、誰にも迷惑を掛けなければこの道もありでしょう。もしかしたら、体のダメージがあって、転職が困難な場合は、治療期間として過ごして、新鮮な気持ちで新しい仕事を探すのもありでしょう。
荷揚げ屋を辞める際にしておきたい3つの事
退職を決めたらやることは退職届けです。退職届けを会社に提出して退職の意思を伝えます。
退職時期の交渉
すぐには、辞めれないかもしれません。自分の意思を伝えて具体的な時期を決定して、計画的に辞めることをオススメします。
転職活動をして内定を貰っておく
これが、一番の重要な点です。貯金があればいいですが、なかなかそうは行きませんからね。荷揚げ屋が続けることができないと判断したら早めに動きだすと、後々の苦労が減ると思います。
内定がもらえない場合は、失業保険申請、社会保険、年金等の手続き
辞めた後の話ですが、転職が上手く行かないことも想定に入れて動くとよいです。失業保険はハローワークで、健康保険と年金は市役所で手続きできます。
2年以上雇用保険に加入していれば、約3ヶ月間の失業給付を貰うことができます。会社都合であれば、申請してすぐもらえますが、自己都合の場合は、3ヶ月間空いて給付になります。
コメント